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更新日 : 2021/11/30

景表法について学ぶ

目次
  1. はじめに
  2. 不当表示とは
  3. 優良誤認表示とは
  4. 有利誤認表示とは
  5. まとめ

はじめに

景表法とは、一般消費者の利益を保護することを目的とした法律です。 正式な名称は「不当景品類及び不当表示防止法」といい、略して景品表示法または景表法とも呼ばれます。主に不当な景品類及び表示による顧客の誘引を防止すること、そして一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害する恐れのある行為の制限及び禁止について定められています。 景表法に違反し消費者庁から措置命令がなされた場合、社名の公表、顧客へ違反した事実の通知、謝罪文の掲載、さらに違反期間中の売上金額によっては課徴金納付命令(違反期間中の売上金額の3%)が出されます。 他にも返金対応、関係省庁との連絡・手続きなど時間もコストも膨大にかかり、社会的信用の失墜にも繋がります。 主に広告主に対して適用される法律ではありますが、アフィリエイターが違反したことが原因で措置命令や課徴金納付命令が出された場合、広告主や広告代理店から損害賠償を請求される可能性があります。 商品の品質を故意に偽ったり、誇張して宣伝することで瞬間的に成果が出てもペナルティを受けるリスクは常にありますので、注意が必要です。 景表法に基づく課徴金の他、2021年8月からは薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)も課徴金制度が導入されました。 更に、消費者庁以外にも各都道府県の自治体や消費者団体の積極的なサイトパトロールが行われており、自治体独自に措置命令を出すケースも増えています。広告表記に対する監視の目は一層厳しくなっていますので、正しい知識を持つことがとても重要です。 では次に、景表法の禁止事項である【不当表示】について詳しく見ていきましょう。

不当表示とは

景表法では不当表示が禁止されています。 不当表示とは、主に「優良誤認表示」と「有利誤認表示」の2種類に分けられます。

優良誤認表示とは

優良誤認表示とは、品質等の内容についての不当表示を指します。 景表法上は

商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの(景表法4条1項1号)

とされています。

優良誤認表示の例
  1. ① 品質
  2. 「人工なのに天然」「果汁100%じゃないのに果汁100%」などと表示する

  3. ② 規格
  4. 「A4和牛なのにA5和牛」と表示する (国や地方公共団体が定めた規格・等級・基準があるのに、それを誤魔化す)

  5. ③ その他
  6. 「外国産なのに国産」「使用期限を実際より1年後」原産地・有効期限・製造方法などを改ざんする

実際と異なる品質を謳って商品を紹介したり、表示する行為が優良誤認にあたるということです。 実際に措置命令を受けた広告の例が以下になります。

化粧品会社Aは洗顔用石鹸の広告に「シミを解消・軽減」すると表示したところ、これが優良誤認表示に該当すると消費者庁に判断された。消費者庁がA社に根拠の提出を求めたところ「シミを解消・軽減」と表示する根拠が不十分だったため優良誤認と消費者庁は判断した。

有利誤認表示とは

有利誤認表示とは、取引条件についての不当表示を指します。 景表法上は

商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの(景表法4条1項2号)

とされています。 実際に有利誤認表示と判断された事例を紹介します。

通販会社Bが、テレビ放送の中でエアコンを広告した際に「通常価格、79,800円のところ、20,000円引き!さらに会員限定で2,000円引き、値引き後価格、会員様特価として57,800円!」として販売。 しかし実際にはB社通常価格である79,800円で販売した実績がなかった事実が発覚した。 B社は、消費者庁から有利誤認と判断され、更にエアコンの事例を皮切りに他の商品や販売手法も過去に遡って調査され、結果として課徴金として5,180万円の命令が課せられることになった。 この事例は、「今月限り○○円!」など期間限定価格と表記していたが、実際には常に同じ価格で販売していたことが原因で有利誤認と判断され、違反表示による売上が一定金額を超えたため課徴金納付命令にまで至ってしまいました。 他にも、自己に優位なランキングサイトを構築し、他社に有利な情報を一切抜くなど、商品を購入してもらえるようにいきすぎた表現は有利誤認と見なされる恐れがあります。 競合商品の多い化粧品ジャンルの広告でも、こうしたランキングサイトはよく見られますが、作成や引用には十分な注意が必要です。 更に、類似の例として、

  • ・架空のメーカー希望小売価格との比較表示
  • ・実績のない通常販売価格との比較表示
  • ・架空の市場価格などを使って、自社の販売価格を安く見せかける表示

等も不当表示となります。

まとめ

景表法において、優良誤認表示および有利誤認表示はいずれも注意すべき行為です。正しい知識を持ってより良い広告を作成することが重要です。

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